D-STAR keyword collection

D-STARキーワード集


D−STARメーリングリストでや りとりされるメールに出てくる「説明付きキーワード」を出現す るたびに追加しているページです.

あくまで,メーリングリスト中の内容ですので,表現上正しくないこと もあります.でも,ほとんどOKでしょう.


DV:
DV(Digital Voice)モードのこと。D−STARのモードの1つで、音声をデジタル化しておくるモード
DD:
DD(Digital Data)モードのこと。DVとならんだD−STARのモードのひとつ。インターネットと同じように マルチメディアデータ(音声、画像、動画、ホームページ等)をデジタル化して送るモード。
FM:
ご存知FM(Frequency Modulation)モード。ID−1にもFMモードはついている!
私のWebカメラ:
皆さんがDDモードで実験するときいつでもアクセスできるように、私の自宅から 名古屋高速道路をライブ撮影しているWebカメラのこと。デモをやるとき等に勝手にはずされる。 アクセス方法等はこちらこち ら
デジタルレピータ:
これまでのアナログFMのレピータと同様にデ ジタル用のレピータが実験的に関東,東海,関西に開設され ている.D-STARはこのレピータを活用することでインターネッ トに接続しホームページが見れたり,他のレピータにアクセ スする局とも交信できる. 現在デジタルレピータの開設状況は下記から. http://www.jarl.com/d-star/kaisetu.htm
アナログレピータ:
アナログFMのレピータのこと.通常は3SAまたは3VAの電波形式しか免許されていません.
ゲートウェイ:
デジタルレピータにはインターネット回線と接続可 能な回線を持つ局がある.これをゲートウェイ局という. ゲートウェイ局を介してレピータ間を接続し,1つのレピー タでカバーできないエリアとも交信できる.
管理サーバ:
デジタルレピータを単独で使う場合には必要ないが, ゲートウェイを介してインターネットや他のレピータ局にア クセスする局と交信するときには,自局も相手局も管理サー バにコールサインが登録されている必要がある.登録されて いないとその局がどのレピータの近くにいるのかがわからな いためゲートウェイを使えない.管理サーバはJARL本部に設 置されている. 登録の申込みは下記から.
http://www.jarl.com/d-star/touroku.htm
D-STARクィ〜ン:
ハムフェア2004でデビューしたD-STARしたくてしたくてたま らないYL.最近は愛知万博キャラクターのきぐるみにも挑戦.
dstar@jarl.gr.jp:
JARLによるD-STAR実用化実験終了後,ひきつづき運用されている メーリングリスト.どちらかというと,技術や運用に関する情 報が交換されている.なお,実験中と実験後では投稿される内 容がずいぶん変わったとのうわさもある.
dstar@isotope.sccs.chukyo-u.ac.jp(現在はdstar@isotope.sist.chukyo-u.ac.jp):
全国のD-STAR初心者向けに開設されたメーリングリスト.主に D-STARとは何か,D-STARトランシーバの使い方といった簡単な 話題が中心.前身はJARLによるD-STAR実用化実験中東海地方の 実験参加者メンバーの情報交換に使われたメーリングリスト. 2006年4月からアドレスが dstar@isotope.sist.chukyo-u.ac.jpに変更された.
アシスト局:
デジタルレピータ局間を10GHz帯の回線で接続するための中継専 門アマチュア無線局.レピータ局とは別の免許になっているた め,特にアシスト局と呼ばれる.通常はユーザがアシスト局の 存在を意識する必要はない.アシスト局のおかげで,アップリ ンクレピータ局とダウンリンクレピータ局を指定するだけで, レピータ間の相互通信ができる.
ゾーン:
アシスト局により接続されたレピータ局の集まり.1つのゾー ンには4局のレピータまで所属できる.その中にゲートウェイ 局が存在すれば,ゾーン内のどの局もゲートウェイを介してイ ンターネットに接続したり他のゾーンとも交信できる.
エリアCQ
「/」をレピータコールサインの前につけてURに設定し,他のゾー ンのレピータからCQCQCQを出させる方法.これを使う場合は, 相手にどのレピータを使っているのかわからない.そのため口 頭でどのレピータからアクセスしているかを伝え,相手に返信 するレピー タを設定してもらう必要がある.
カーチャンク
PTTを一瞬押して離すこと.D-STARの場合,レ ピータからの応答でRPT1欄が自動設定される(設定で拒否すること もできる).また,同時に自局が全国のどこのレピータの近くにい るのかも管理サーバに登録される.
5分ルール
管理サーバには登録されたコールサインが最後にどのレピータを使っ たかが記録されている.つまり,相手のコールサインをUrCallに指 定するだけで,レピータは管理サーバに問い合わせ,相手が応答で きそうなレピータから音声(DVモードの場合)やデータ(DDモード の場合)の電波が発射される仕組みになっている.
このとき,相手局が複数のレピータにアクセスできるような状況で も安定して交信できるように管理サーバは最大5分間登録レピータを 変更しない.
よって,急にアクセスするレピータを変えた場合,相手からの応答 は最大5分間元のレピータから出続けることになる.もちろん時間 がたてば変更後のレピータに応答が出るようになる.
10秒ルール
レピータは電波を確認すると応答(UR?やRPT?)を返すが,相手と相 互に交信している場合,毎回この応答を出していると交信そのもの を妨害することがある.そのため,長時間特定の相手と交信してい る場合,レピータは応答(UR?やRPT?)を出さなくなる.
UrCall,RPT1,RPT2を変更しても応答しないが,10秒間電波を 出さずに待つことで,元のように応答(UR?やRPT?)を返すようになる.
2秒ルール
モービル運用時等,PTTスイッチを押した後すぐに送出されるコール サイン情報がレピータに受信できないことがある.これではうまく 送受信を続けることができないのでレピータは送信が終ってから2 秒間は無線機へのコールサインの設定に関わらず直前までに交信し ていた相手局に向けて音声やデータを送出し続ける.
すなわち,この2秒間は思いもよらない相手(といっても直前まで 送信していた局)と交信できることもあるので,レピータは他の局 が使用した後は2秒以上の時間をあけてから利用するとよい.
2時間ルール
ホームページから利用登録してもすぐに管理サーバに反映され利用 できるようになるわけではない.同期は2時間に1回の割合で行わ れているので,最長2時間以内に設定した情報が反映されるように なる.その間はじっと待つしかない.
交信中に「ピー」や「ピーピーピー」
レピータは連続送信時間を10分に制限している.制限時間の3 0秒前になると送信を停止するよう促すため,無線機はビープ音を 発生する.また,制限時間に達したときにも連続したビープ音が発 生する.無視して利用することも可能だが,他の局にも配慮して利 用することをお勧めする.
ID-91交信中に「ピーピーピー」
D-STARハンディ機ID-91は,外部電源が使えて便利であるが,もとも と8V程度で動作させる無線機のようで,その入力電圧によって動作 が異なる.電圧が約11V以上あると,常時ディスプレイランプが点灯 し,電池にも充電される.しかし,送信しつづけると本体が熱くな り,しばらくすると保護回路が働いて「ピーピーピー」音を送出す るとともに送信出力が落ちる.8V程度の電圧を供給すると,本体は それほど熱くならず「ピーピーピー」音の発生をおさえることがで きる.もちろん電圧が低いと,送信出力が落ちるが,5V程度までな ら動作するらしい.(専用電池ケースを使えば,電池2本でも動作可 能)
宇宙人の声
信号強度が弱くなった時,アナログ通信ではノイズが増えてくるも のの何とか交信ができる.一方,デジタル通信の場合はあるレベ ルを境に急に復調ができなくなる.しかし最近のデジタル技術はあ る程度信号が悪くなっても(ビットが欠けても),何とか元に戻す ことが可能である.ただし,あまりにもビットが欠けてくると,ま ずは「宇宙人の声」に似た「ケロケロ声」になり,その後全く聞こ えなくなる.「宇宙人の声」が聞こえた時は,本来は復調できない レベルだが,まさにデジタル技術を体験している時と思うと良いで あろう.
レピータがひとりごとをしゃべる
他の局やレピータからの応答が終る前に電波を発射したり,モービ ル運用等で電波強度が不安定な時,電波を止めたにも関わらず5秒 程度レピータから「宇宙人の声でひとりごと」を発することがある.
これはレピータが音声データ終了の信号をうまく受信できず誰 も止められない状況になった時に発生する.逆に交信中に相手局が 「宇宙人の声」になった時に電波を発射することで無線機側に強制 的にデータリセットをかけ復調できるようになることもあるが,交 信を続けられなくなる危険を犯すことになるのであまりお勧めしな い.
UR?(またはUR *)
D-STARレピータは,カーチャンク等のアクセスがあったとき,相手 のレピータまでの経路を確保します.このとき,経路上のどのレピー タからも通信エラーの応答がなかったとき,レピータから一瞬応答 信号が発せられ,それを受信した無線機は「UR?」または「UR*」 を 表示します(表示方法は無線機に依存します).
ただ,「UR?」が表示されるからといって,必ず相手のレピータまで 通信経路が確保されたということではありません.つまり,経路が 寸断されエラー応答を受信することがない時もレピータは「UR?」を 発信します.
確実に相手レピータまで通信できているかどうかを確かめるには, たとえば430MHzと1200MHzのレピータから同時に相手 レピータにアクセスします.つまり,強制的に相手レピータを使用 し,もう一方のアクセスが不可能な状態にしてやれば確実に「RPT?」 の状態になります.もし「UR?」を返してくるようであれば,通信経 路が寸断されている可能性があります.「UR?」はきっと通信可能だ ろう,程度の判断がよいでしょう.
RPT?(またはRPT *)
D-STARレピータにアクセスしたとき,何らかの原因で相手のレピー タまでの通信経路が確保できないとき,レピータから一瞬応答信号 が発せられ,それを受信した無線機は「RPT?」または「RPT*」 を表 示します(表示方法は無線機に依存します).
このとき,「RPT?」応答を発してくるレピータのコールサインを調 べることで,そのレピータの直前まで信号が到達しているかがわか ります.たとえば,相手レピータ局がすでに他の局によって使用さ れていたり,インターネット回線混雑して通信状況が悪い時に 「RPT?」が返っています.
「RPT?」を返してくる時は,思ったような通信ができません. 設定したコールサイン等の情報が誤っていないか確かめた上で, しばらくしてからもう一度試してみて下さい.「UR?」が返って無事 交信ができれば,相手レピータが使われていたことになります.
このような仕組みによって,D-STARは使用しているレピータに他 の人が突然割り込んでくるようなことがないシステムになっていま す. 「UR?」参照.
パイルアップ
D-STARのDVモードでパイルアップを受けると,受信する側には, 「全く無音」か「ヒョロヒョロ声」になります. 特にゾーン外交信で無音のときは受信者は全く気づきませんので, もし応答しても無視されてしまったときは,しつこくコールしてみ てください. 数秒タイミングをずらしてうまくコールすると良いでしょう.

2004.11.06.(初版作成)
2008.07.30.(最終更新)
fmiso at sist.chukyo-u.ac.jp